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2007年 08月 15日
![]() ドクメンタ12やミュンスター彫刻プロジェクトの感想などもアップしたいのですが、ひとまず僭越ながら、私が企画に携わったエジンバラでの展覧会情報を載せます。本当は3日間限定の展示だったのですが、より多くの人々に見てもらおうと、急遽今週末(8月17日ー19日)も開催することにしました。お近くに寄った際は、是非足をお運びください。以下、プレスリリースより抜粋です。 ------------------------------------------------------------------ WHO'S HERE! THE POLICE BOX ART SHOW 本展では、エジンバラに点在する古い交番(Police Box)を使用し、 3日間限定の小さなギャラリーを開きます。 歴史深いエジンバラの街に今もたたずむ小さな交番は、 その多くが19世紀に設置されました。 その歴史を辿ってみると、イギリス初の交番はスコットランドに建てられ、 当初は警察直通の電話を置いた電話ボックスのような物が主流でした。 その後、警察官が駐留し、今も残る小屋のような形になりました。 おもちゃのように親しみやすい形状をしたこうした交番は、 1963年から放映されているテレビ番組の 『ドクター・フー』(Doctor Who)の中では主人公が乗り込む時空転移マシンとして登場し、 ポップカルチャー的アイコンとしても人々に知られています。 かつては市民の安全を守り、情報を発信する地点として 人々に愛され続けて来た街のシンボルも、 残念ながら現在はその役割を終え、ほとんどが使用されないまま残されています。 本展では、こうした街の建築的遺産を使用し、 新たな情報発信の場やネットワークを構築することを試みます。 参加作家はエジンバラで活動を行う日本、アメリカ、スコットランド、イングランド、 台湾、オーストラリア出身の若手アーティスト16組で、 会期中は約2m×1mの交番の内外に様々なインスタレーション、 彫刻、絵画、映像、ドローイングを設置します。 夜には交番をステージに様々なアート/音楽パフォーマンスが行われ、 訪れる人々とアーティストが相互に創造的刺激を与え合う場を提供していきます。 また、エジンバラ市内の交番マップを配布し、地点と地点を結んで行く人々の流れも促します。 本展のタイトルであるWho’s Here!は、 かつての交番の電話での会話を想像させると共に、 本展に訪れた人々が体験する新しい出会い、予期せぬ驚きを表現しています。 街の歴史を紡いで来た交番にアーティストによる創造的息吹を吹き込むことで、 時間の経過と共に見過ごされて来た場所の再活性化、建築の再利用化を試みます。 From Friday 10 August until Sunday 12 August, the historical Police Box opposite Pleasance will be converted to Edinburgh’s smallest gallery, housing artwork and performance by sixteen emerging artists. The gallery will show various mini-size sculpture, painting, drawing, film, jewellery, and food installation by Edinburgh based artists, with several exciting performances and music events inside and outside the gallery space. The art will also be available for purchase. During these three days, the surface of the police box will be painted in white, featuring numerous collaborative drawings by Yao-Pang Wang and Sam Taylor, and photo installation by Satoko Kiuchi. Visitors are also invited to sit and relax outside the police box during an outdoor performance by Steven Mykietyn, and the music performances by Owen Williams and Ben Danzig Jazz Duo starting at 19:00 daily. We welcome visitors to enjoy different artworks by participating artists, experiencing the smallest gallery in the city, and appreciate the historical aspects of the police box. The very first public police boxes in UK were introduced in Scotland in 1891. Small iron-made police boxes were often painted in blue, and they functioned as information and networking points for local people and police officers in old days. Its figure is also well known as a Tardis in the famous TV program Doctor Who. Now, there are very few police boxes still existing in the UK, many of those remaining can be found in Edinburgh. By bringing emerging artists to this important Scottish architectural heritage site, we aim to regenerate the space and reinstate its former purpose as a point for the exchange of information and networks, and give a new function and artistic dimension to a historic structure. Duration Friday 10 – Sunday 12 August 2007 AGAIN on Friday 17 – Sunday 19 August 2007 Opening hours 12:00 - 18:00 Performance 18:00- Music performance; Owen Williams ‘human jukebox’ Ben Danzig Jazz Duo Location Pleasance (Corner Gilmour St. and Richmond Ln, opposite St Leonard's Health Centre) Participating Artist Yao-Pang Wang Jaimie Henthorn Paul Henry Owen Williams Maya Hayashi Ella Barclay Steven Mykietyn Mie Miyakawa Aiko Miyanaga Sam Taylor Rufas Ward Tokumasa Matsubuchi Chinami Takahashi Satoko Kiuchi Ben Danzig Jazz Duo Eli Skatvedt and many more.. Curator Naoko Horiuchi
# by naooo28 | 2007-08-15 22:56
2007年 07月 02日
![]() 現在タービンホールで開催されているGlobal Citiesの展示は、『国連の調査によると現在50%以上の人口が都市に集中する』と書かれたシリアスな一文で始まります。そのタイトルの通り、ロンドン、NY、東京、上海、カイロ、イスタンブールなど、世界の10都市にフォーカスし、複雑化していく大都市の中でスピーディーに変化して行く社会や都市構造、また建築が抱える問題点や打開策などを、様々なアーティストや建築家の視点を通して映し出しています。 ![]() 展示は、2006年の第10回建築ビエンナーレで収集された経済社会や地理データや情報を参考に、サイズ、スピード、形状、密度、多様性などの5つのテーマに沿って進んで行き、展示作品にはフランシス・アリス(Francis Alys)のビデオ・インスタレーションや畠山直也(Naoya Hatakeyama)やアンドレアス・グルスキー(Andreas Gursky)の写真作品の他、ロンドンの社会、文化に注目し、サスティナビリティやパブリックスペースを考慮した新しい提案をコミッションしたザッハ・ハディド(Zaha Hadid)やナイジェル・コーツ(Nigel Coates)、レム・コールハース(Rem Koolhaas)といった有名建築家の作品など、大都市が持つリアリティを見つめ、そこで現在生活する人々の喚起を促す、教育的な展示になっています。 Tate Modern Global Cities Until 27 August 2007 # by naooo28 | 2007-07-02 23:54
2007年 07月 02日
人生初の寝台列車に乗って(揺れます!)、久々にロンドンに行って来ました。色々なギャラリーやミュージアムを見た中で、特に印象に残った展示について紹介します。 ![]() 「建築はもう一つの身体であり容器である。」とアーティスト本人が述べているように、アントニー・ゴームリー(Antony Gormley)の作品は、その多くが有機的な身体の形状を核とし、その身体を包み込みながら広がって行く空間を作り出しています。ヘイワード・ギャラリーの展示では、スチール、コンクリート、鉄などの素材を使って、無限に広がって行きそうな身体空間がスペースを埋め尽くしていました。 作品の一つである"Allotment 2"は、1歳半の子供から80歳の老人まで、300人のボランティアの身体比率を測り、その人型をモチーフにした四角いコンクリートの「身体容器」を並べたインスタレーション。一見、ランダムに並べてあるように見えるそれらの角張った身体容器は、実際にはグループでまとまっていたり、会話をしているかのように見えたり、関係性を思わせる法則に従って並んでいます。それらの間を歩いていると、実際に体温や気配のような物が漂っているように感じるので何とも不思議。例えるなら、その光景はまるで手塚治虫の「火の鳥」の未来編に登場するロボット世界とでも言うのでしょうか。 また、今回の展覧会名にもなっている"Blind Light"は、ガラスの壁で仕切られたキューブ空間の中に真っ白な濃霧が広がり、その中に実際に鑑賞者が入って、光の闇を体験するという作品。真っ白な「光」の中にいながら、自分の手の先さえ見えないその「闇」は、空間のスケールがあらかじめ分かっていながらも、方向性や感覚を失い、遭難したような焦燥感を煽ります。作家の意図するように、「建築」という保護された空間にいながら、山の頂上、もしくは海の底にいるような自然界で体験する感覚と類似したものを私たちにもたらし、また実際に、そこから出た後は、スチームのせいで服や顔の周りには水滴が付着し、霧雨の中を歩いて来たような状態になっていることに気付きます。 今回の展示の最も面白い部分は、ゴームリーの作品がギャラリー内の展示空間だけでは無く、屋外にまで広がって行くところです。ギャラリーの外に出てふと周りを見上げると、ギャラリーを囲むありとあらゆるビルのてっぺんに等身大の人間のブロンズ彫刻が佇んでいるのが見えます。それが360度広がり、1.5キロ先、いわゆる視力の続く限りの場所まで立っているということ。 ![]() ここまで展示を拡張したギャラリーの力の入れようにも感動しましたが、こうした展示に協力してくれる環境があるというのも何とも羨ましい気がしました。 The Hayward Antony Gormley: Blind Light Thursday 17 May 2007 - Sunday 19 August 2007 # by naooo28 | 2007-07-02 22:44
2007年 06月 29日
エジンバラ芸術大学(eca)の現代アート理論コース(MSc Contemporary Art and Art Theory)の学生がキュレーションを行ったMetteurs en Scène(舞台監督とか、ディレクターといった意)を見てきました。 ![]() 展覧会のタイトルが示すように、展示されている作品は、劇場の舞台装置や映画のセットなど、日常とはかけ離れた世界を限りなく日常的な場所に展開している映像やスカルプチャーが中心。映像作品には、普通の家の中にセットを組んで9組のバンドがライブ・イベントを行うイラナ・ミッチェル(Ilana Mitchell )とスージー・グリーン(Susie Green)による"The Set"や、鹿の毛皮を纏い、シャーマンに扮したアーティストが老人たちの前で動物世界との交信を行う様子を映したマーカス・コーテス(Marcus Coates)の"Journey to the Lower World"など、本人達はど真剣に行っているのに、それが繰り広げられている場所や画面の中に登場する聴衆の反応とのギャップが大きく、どこかコミカルな様相を漂わせているものが目に着きました。 ![]() 今回のアーティストが選ばれた経緯として、The embassy gallery自体がアーティスト5人によるメンバーで運営されているアーティスト・ラン・ギャラリーという点にも注目し、スコットランドやニューキャッスルなど、イギリス北部を中心に活動しているアーティスト運営ギャラリーと事前にネットワークを形成し、アーティストを選定するというプロセスを踏んでいます。 展示そのもののテーマは一見伝わりにくい面もあれど、丁寧に準備されたイントロダクションやアーティスト紹介、ホームページなどにじっくり目を通すと、キュレーターたちの意図が見えてくる展覧会になっています。アート理論のコースで学生がキュレーションを行うようになったのは、今回で3年目。実は私もここのコースで学びました。。 こうして展覧会の企画を行う側も頑張ることで、活発に若手のアーティストとキュレーターが活動していくいい流れが生まれていけばいいなーと思いました。 The Embassy Metteurs en Scène 23rd June - 15th July 2007 Marcus Coates Catherine Bertola Darren Banks Susie Green Ilana Mitchell # by naooo28 | 2007-06-29 19:19
2007年 06月 20日
![]() 引き続き、今度はグラスゴー・スクール・オブ・アート(GSA)のMFA(Masters of Fine Art)の卒業制作展に行ってきました。チャールズ・ルネ・マッキントッシュ(Charles Rennie Mackintosh)のデザインした建築で有名なGSAは、2005年のターナー賞を受賞したサイモン・スターリング(Simon Starling)や、2007年のベニス・ビエンナーレのスコットランド代表アーティストであるルイーズ・ホプキンス(Louise Hopkins)など、若手スコティッシュ・アーティストを数々輩出しているスコットランドでは力のある美術大学です。 今年は、大学の建物内で行われているその他の学部の展示は残念ながら見れず、MFAの展示が行われているトラムウェイ(Tramway)のみを見てきました。 MFAの展示は、6年前からグラスゴーの主要ギャラリーの一つであるTramwayギャラリーで行われています。Tramwayは、19世紀に電車の倉庫兼工場として使用されていた古い建物を1960年代に交通美術館として改築し、その後、1990年代に現在のように、シアターやギャラリー空間を作り、国際的なアーティストを招いて展示やプロジェクトを行う複合スペースとなりました。当時の趣をそのまま残す空間は天井がとても高く、床には今も電車の軌道が残されています。このような贅沢な空間で展示が出来るのは何とも羨ましいことですが、去年のようにだだっ広い空間を有効に利用した作品とは違い、今年は全体的にややナイーブな印象が目立ちました。 その代わり、床に残っている電車の軌道をうまく利用した映像作品や、トイレの空間を活用し、男女の歌声を聞かせるインスタレーションなど、Tramwayの空間の特徴をうまく掴んだ一ひねりあるスペシフィックな作品が多かったような気がします。 GLASGOW SCHOOL OF ART DEGREE SHOW 2007 Thu 14 – Sun 24 June 2007 Various Spaces Tue – Fri 10am – 5pm, Sat & Sun 12 – 5pm Closed Monday Admission free # by naooo28 | 2007-06-20 02:27
2007年 06月 18日
![]() 6月16日から26日まで、エジンバラ・カレッジ・オブ・アート(ECA)では、卒業制作展が開催されています。今年は大学開学100周年を記念する年であること、また、新校舎の完成などにより、全体的に盛り上がったムードの中での展示になりました。 400人に近い学生の展示を一度に見れてしまう卒業展というのはとても贅沢で、とにかく、作り込みや展示方法など、そういうディテールはさておき、様々なエネルギーが一堂に会している場所というのがいいように思います。特にコスチューム・デザインや彫刻学科の作品は、色彩や形が豊かで、エンターテイメント性が高い印象を受けました。 とはいえ、ただのエネルギーの爆発の場というだけではなく、毎年毎年、卒業展には多くのギャラリストやコレクターが訪れ、ここに小さなマーケットが生まれます。特にペインティングやジュエリーの売り上げは盛況で、「買いに来る」という目的で見に来る人も多く、その様子を見ていると、UK全体のアートマーケットの縮図をここに見たり、という感覚になります。 ![]() エントランス近くの大きな吹き抜けの空間には、例年同様、巨大な彫刻作品が並び、オープニング当日には学生達によるパフォーマンスで賑わいました。大学の本校舎は、建物その物がとても古いこともあり、作品が展示される空間にもそれぞれ個性があるというのが面白いような気がします。また、展示場所が限られているなどの条件から、大学近くにあるポイント・ホテルの協力を得て、ホテルのロビーや客室の並ぶフロアなどを利用して行われた展示も、会場を大学内だけに限定せず、思わぬ鑑賞者を引き入れるという意味で、面白い試みになっている気がしました。 Centenary Degree Show 2007 Edinburgh College of Art Art and design shows: Saturday 16 June - Tuesday 26 June Mon-Thurs 10am - 8pm; Fri-San 10am – 5pm # by naooo28 | 2007-06-18 02:27
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